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リコーエレメックス株式会社

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非接触(無接点)充電システム

腕時計の電磁誘導充電技術

電池交換の煩わしさに対する不満や環境保全に対する意識の高まりから、近年、太陽電池搭載の腕時計など電池交換不要の腕時計が主流となりつつあります。こうした背景から、電池交換不要の充電式アナログ腕時計「REQ」を開発しました。
REQは、付属の充電器に時計をセットすることで、電磁誘導により時計内部の2次電池に充電するシステムです。このシステムによれば従来の発電時計で問題となっていた、充電量不足に伴う運針停止の不安や、急速充電への対応が可能となります。
同時に、2次電池の残容量が不足した時は秒針を2秒連続運針/4秒連続運針に変更し、フル充電時は過充電保護の制御を1チップのICで構成していますので非常に小さいスペースで電池の残量警告と充電制御が実現できました。

電磁誘導による充電技術

REQは、付属の充電器に時計を乗せることで充電器と時計とを磁気的に結合し、充電器から発生する交流磁場で時計内部のコイルに誘起電圧を発生させる電磁誘導方式による充電を実施しているため電気的な接続をすることなく手軽に充電が行えます。充電のメカニズムは、充電器の内部の1次コイルに20kHz程度の交流電流を流しコイル近傍に交番磁界を発生させます。時計に内蔵された2次コイルは1次コイルに密接して置かれると共に、1次コイル内のコアによって強く磁気結合され交番磁界が内部を鎖交することでファラデーの電磁誘導則に基づく誘起電圧を発生します。この2次コイルに誘起した交流電圧を整流して2次電池に充電するというものです。
この方式をシミュレーションによる最適化を実施することで安定した急速充電が実現されました。

制御回路の1チップ1C化

2次電池の電圧を検出することで残容量を測定します。この測定の結果、残容量が少なくなると時計の秒針の運針を2秒毎に2ステップづつ運針させる2秒運針に自動的に変更し、電池電圧低下に伴う運針モータのトルク不足を解消するためにモータ供給エネルギーの制御を同時に実施しています。そして、さらに電池容量が低下し、運針動作限界に近づいた時には、4秒毎に4ステップづつ運針させる4秒運針に変更します。充電時には過充電による電池の破損を保護する必要があり、REQでは2次電池の電圧を検出し、フル充電の判断を自動的に実施しておりフル充電時には時計内部で自動的に過充電防止制御を実施しています。
以上の制御を新規開発した1チップICによって実施しており、従来の時計と比較しても外観を損ねることなく電池容量の減少(充電時期)を知らせることができました。

REQのシリーズ展開

電磁誘導による充電システムの確立とREQ用制御ICの開発により、従来の発電時計とは異なる充電式アナログ時計が世界に先駈けて生産されました。今後は充電システムのメリットである急速充電を最大限に生かして、今まで腕時計では考えられなかった機能を搭載したREQシリーズとして展開しました。

画像:REQ第一段腕時計REQ第一弾腕時計